密教資料研究所
概要
本研究所は、密教学資料を中心として深く専門の学術を研究し、もって世界文化の向上に資することを目的として平成7年7月に発足し、
(1)密教教学研究
(2)密教儀礼研究
(3)国際密教研究、および
(4)事業
を行うことを主としています。
本研究所の性格上、設立当初より国内外に調査団等を派遣し、多くの密教資料の収集に努めています。 国内においては調査・収集と併せて、本研究所が所蔵している明治から昭和にかけて活躍された真言密教学者、長谷寶秀師の蔵書である「長谷文庫」の調査・研究を行っています。
海外にはインド・チベット密教調査団やモンゴル仏教調査団を派遣することによってインド、チベット、モンゴル、ネパールの密教寺院の調査等を行って大いに成果を挙げています。 現在は、アメリカ、カナダや中国等の海外より講師、研究員を招聘して研究並びに講演会等を催して国際交流を図り、密教の国際化に努めています。
出版事業
『長谷寳秀全集』全6巻別帙 6冊(法藏館)
真言宗において明治・大正・昭和と活躍され、京都専門学校(種智院大学 前身)で四十年近く教鞭を執られた大学者である 長谷寶秀(明治2年~昭和23年)の著作を本研究所編集により『長谷寶秀全集』全6巻別帙6冊(法藏館)として出版した。
『長谷寳秀全集』全6巻別帙 6冊 法藏館 平成9年発行
▲長谷寶秀写『護身法灌頂』(「長谷文庫」所蔵)
『長谷寳秀全集』全6巻別帙 6冊 法藏館 平成9年発行 |
第1巻 |
遺墨集 論文集 |
第2巻 |
大日経疏玄談 十巻章玄談 般若理趣経分科・同末釋 釋摩訶衍論玄談
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第3巻 |
大疏秘記集 |
第4巻 |
大師御請来梵字真言集 上巻 |
第5巻 |
大師御請来梵字真言集 下巻 |
第6巻 |
四度加行指南者意得要略 |
別帙(6冊) |
三宝院流憲深方四度次第 |
種智院大学密教資料研究所紀要
▲『種智院大学密教資料研究所紀要』
『種智院大学密教資料研究所紀要』目次
◆創刊号(平成10年3月21日) |
『密教資料研究所紀要』刊行にあたって |
種智院大学学長 今井圓明 |
創刊の辞 |
種智院大学密教資料研究所所長 山崎泰廣
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『長谷寳秀全集』の概要 |
頼富本宏 |
第一巻概更 |
今井淨圓 |
第二巻概要 |
山崎泰廣 |
第三巻概要 |
山崎泰廣 |
第四巻・第五巻概要
『大師御請来梵字真言集』─所収の真言について─ |
児玉義隆
野口圭也 |
第六巻概要
─長谷賓秀師の事相研究の成果 |
宇垣泰明 |
『長谷實秀全集』刊行記念長谷寶秀先生五十回忌法要記念講演
長谷賓秀先生の思い出
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木南卓一 |
魚山曹植と高粛 |
井上亮淳 |
平成9年度国内調査報告
神仏習合と密教資料(一)─大分国東半島宇佐八幡宮を中心として─ |
児玉義隆
野口圭也 |
◆第2号(平成11年3月21日) |
最近のオリッサ地方の遺跡発掘状況 |
頼富本宏 |
岩原諦信著作集別巻III ─南山進流声明五線譜再販によせて─ |
井上亮淳 |
平成十年度国内調査報告
神仏習合と密教資料(二)
─大分県国東半島・臼杵石仏群を中心として─ |
児玉義隆 |
八幡信仰の成立 |
寺尾美智子 |
彙報 |
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─平成十年度 密教資料研究所派遣─
第3回 モンゴル仏教文化予備調査団 仏教福祉班報告
モンゴルの子供たち |
宮崎隆太郎 |
─平成十年度 密教資料研究所派遣─
第3回 モンゴル仏教文化予備調査団 仏教文化班報告
モンゴル仏教・文化調査団、文河班報告書 |
中村凉一 |
─平成十年度 密教資料研究所派遣─
第3回 モンゴル仏教文化予備調査団 仏教文化班報告
総論 |
中村幸子 |
─平成十年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
秘密集会及びチャクラサンヴァラ地儀軌について |
北村太道 |
─平成十年度 密教資料研究所派遣─ インド・チベット密教調査
─平成十年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(一) |
北村太道 |
◆第3号(平成12年3月21日) |
中国仏薬について |
井上亮淳 |
書評
田辺勝美『毘沙門天像の誕生 ─シルクロードの東西交流─』
(吉川弘文館 1999年12月刊行) |
今井淨圓 |
彙報 |
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─平成十一年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
毘沙門天に関する研究ノート |
北村太道 |
─平成十一年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十一年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(3)
─カギュ・ニンマ併修の毘沙門天の許可─ |
北村太道 |
─平成十一年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十一年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(2)
─ゲルク派の毘沙門天の許可─ |
北村太道 |
◆第4号(平成13年3月21日) |
─平成十二年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
真言密教に見る『大乗毘沙門功徳経』 |
北尾隆心 |
彙報 |
今井淨圓 |
マンダラの作成についての研究
─ツォンカパ著『秘密道次第大論』試訳(6)─ |
北村太道
ツルティム・ケサン共訳 |
─平成十二年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十二年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(5)
─プトン著作の毘沙門天儀軌─ |
北村太道 |
─平成十二年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十二年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(4)
─毘沙門天などの三財宝神の護摩─ |
北村太道 |
◆第5号(平成14年3月21日) |
─平成十三年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
毘沙門天の研究 I
─報恩院流「毘沙門天法」次第1─ |
北尾隆心 |
彙報 |
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─平成十三年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
新刊紹介
田中公明著『タンカの世界 チベット仏教美術入門』
(山川出版社 2001年3月刊行) |
今井淨圓 |
マンダラの作成についての研究
─ツォンカパ著『秘密道次第大論』試訳(7)─ |
北村太道
ツルティム・ケサン共訳 |
─平成十三年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十三年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(6)
─『プトン著作の毘沙門天讃文』─ |
北村太道 |
◆ 第6・7合併号(平成17年3月21日) |
新出の『別尊雑記』系図像集 |
頼富本宏 |
彙報 |
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南詔・大理国時代の密教系遺品について |
今井淨圓 |
曼荼羅制作ノート(一)
─曼荼羅と五色─ |
中村幸真 |
─平成十四年度 密教資料研究所派遣─
インド・チベット密教調査
─平成十四年度 信貴山千手院研究助成金成果報告─
チベット所伝毘沙門天の研究(7)
─ポトン著作の『毘沙門天王の現観増益』─ |
北村太道 |
◆第8号(平成18年3月31日) |
巻頭言 |
種智院大学密教資料研究所長
北尾隆心 |
─長谷文庫の調査報告(1)─ |
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【写真篇】 |
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『塵塚』
解説
写真 |
北尾隆心 |
信証作『阿字観抄』
解説
写真
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北尾隆心 |
『釋論講草 玄談』
解説
写真 |
北尾隆心 |
【翻刻篇】 |
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恵什作『伝教大師御受法不審』
紹介
写真・翻訳 |
北尾隆心 |
【研究篇】 |
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勝賢作『護身法潅頂』について(一)
─長谷文庫蔵『護身法口秘』を中心にして─ |
北尾隆心 |
長谷文庫蔵『(1)字觀最極秘要(阿字黒箱)』について(一) |
北尾隆心 |
彙報 |
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チベット所伝毘沙門天の研究(8) |
北村太道 |
◆第9号(平成19年3月21日) |
巻頭言 |
種智院大学密教資料研究所長 北尾隆心 |
─長谷文庫の調査報告(2) |
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【研究篇】 |
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『真俗雑記問答抄』について |
榊義孝 |
【写真篇】 |
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『真俗雜記』第一、二 解説 写真 |
北尾隆心 |
彙報 |
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◆第10号(平成20年3月21日) |
祝辞 |
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密教資料研究所の過去・現在・未来 |
種智院大学学長 頼富本宏 |
『種智院大学密教資料研究所紀要』第十号を記念して |
大正大学学長 小峰彌彦 |
『長谷寳秀全集』出版に憶う |
種智院大学名誉教授 山崎泰廣 |
挨拶 |
種智院大学密教資料研究所長 北尾隆心 |
【研究篇】 |
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空海の密教的視座 Ⅱ |
福田亮成 |
ー「長谷文庫」の調査報告(3)ー |
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【写真篇】 |
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『釋論講草』第一 『真俗雑記』三 |
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紹介・種智院大学密教資料研究所 |
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『種智院大学密教資料研究所紀要』既刊総目録 |
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彙報 |
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【研究篇】 |
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『毘沙門天儀軌』の研究(2)-チベット資料によるー |
北村太道 |
『大日経』の先駆思想 ー般若経の師資相承句と不来不去を中心にー |
越智淳仁 |
ネパールに生きる密教儀礼について ー法界自在マンダラ儀礼の調査報告ー |
スダン・シャキャ |
研究事業
現在、本研究所が所蔵している長谷寶秀師の著作や蒐集された書籍等を納めた「長谷文庫」の調査・整理事業を行っている。その成果の一部は『種智院大学密教資料研究所紀要』8号より掲載している。
▲長谷寶秀写『護身法灌頂』(「長谷文庫」所蔵)
この度、密教資料研究所の事業として作成した「長谷文庫データベース」(第1箱~第19箱、および第31箱データ収録)を、学内LANで公開します。(平成22年10月5日)